こんにちは。【タオルはまかせたろ.com】タオルソムリエの寺田です
昨日と、うって変わって雲一つない青空だ。
東京に着いてからほとんど、食事が喉が通らなかったのに、東京の朝が
晴れだったことに又、心にスイッチが入った。
ホテルの朝食のおにぎりを3つたいらげて、浜町公園にある神社に一礼をし、
感謝をのべて、改札に向かった。
目黒からバスに乗り、2回目の訪問・・・。
初日の強風の冷たい小雨の降るナーバスな自分とは違い
キャリアケースも引きずることなく、抱え込むように目指す先へ向かっていた!
白い住居にトレーニングルームがかすかに垣根から見える。
空調はボーンと音を唸らせているが、人の気配は全く感じない・・・。
インターホンを鳴らす。
そしてもう一度、鳴らす。
レンズの向こうをまばたきすることなく出来るだけ穏やかな表情で
突っ立ている自分がいた。 3分くらい経ってたんだろうな・・・。
その向かい側のマンションで縄跳びで遊ぶ子供の声で我に返った。
息をするのを忘れていたようで慌てて息をした・・・。
もう少しで過呼吸になりそうだった・・・。
当てもなく、考えもまとまらないままに、ご自宅の周りをぐるりと回り、早朝のランニングをするランナーと何人もすれ違った。
スーツケースを抱える私を見て「また、ファンがどこからか、来たんだろう・・・」っ的な目で見ているように感じてしまう程、気持ちが沈んでいく
自分に向き合えずにいた・・・。
(私はここで何をしているんだろう・・・?)
勉強会でお世話になっている先輩に電話をした。
明るい元気な性格でみんなからはパパの愛称で親しまれている。
「今から寄せていただいていいですか?」 「どうぞ♪」 明るいパパの声だ。
パパには二人の子供がいる。
5歳長男と7歳長女で自宅に残してきた私の息子達と年が近い。
かわいい子供達は人なつっこくて、すぐに私を受け入れてくれて遊んでくれた。
奥さんはキッチンと居間を行ったり来たりとケーキだ、ゼリーだと東京の有名店の品をあれやこれやと揃えてくれる。
遅めの昼食だと夫婦でサンドイッチを作ってくれたので、ベランダの眩しいくらいの日差しの中で、子供達と楽しく食べた。
パパはその間に隣に住むIさんに電話をしてくれたらしい。
「今、湘南にシェパードと行ってるから、戻ってきたらタオル預かってあげるって」・・・。
一瞬、何を言っているのか分からなかった。 そんな簡単なことなのか?
愚問をもう一度、してみた。 でも答えは一緒だった。
「簡単なことだろ!」 っと返事が返ってきた・・・。
奥さんは今から来るからと誰が来るのか分からないけどもギョーザ作りに
必死だ。
それをパパが丁寧に皮を器用に包む。
私は二人の子供と英語版の機関車トーマスのアニメを観ながら、言葉は分からなくてもストーリーは分かるもんだなって変に5歳の子を膝に乗せながら2時間近く観ていた。
ピンポーンとなって勢いよく二人の子供と女性が一人やってきた。
めちゃくちゃ底抜け明るいWさんという女性はたらふくお酒を飲んでも
変わらず、明るく笑っていた。
そして風のように帰って行った。
続いて二人の夫婦がやってきた。 会った瞬間から物腰の柔らかいそして懐の深そうなご主人と花粉症でタオルで鼻を押さえながら、笑顔の優しい美人な奥さんだった。 この方がIさんだった。 初対面だったのに元ちゃんと言って
朗らかにお話をしてくださった。
続いてピンポーンと鳴り、2階の住民から鍋を借りにくる人がいた。
「ここはほんまに東京なのか?」っと思えるくらい、昭和のままの近隣同士のつきあいが深い。 それもマンションだぞ!
でも、それはパパと奥さんの雰囲気がそうさせるものだと出会えば誰もが感じることであろう・・・。
Iさんの奥さんがすぐに私の夢の諸事情を理解して、悦子婦人に電話をかけてくださった。
もう夕方6時を回っていたことを初めて時計を見て知り、私はなんて長いこと、この居心地のいい空間に居ているのだろうと思った。
ドキドキしながら、Iさんの電話が終わるのを待ったが、悦子さんの携帯は電源が入っていなかったらしい・・・。
夕食はパパ特製のギョーザだ! なんでこのタイミングで私の好物のギョーザが
出てくるのかなんて、もう何も不思議に思うこともなかった・・・。
人間は全て成るようになっているんだと昨晩滋賀の社長に電話で教わっていたから。
Iさんご夫婦もパパのギョーザが久しぶりに食べられるとうれしそうにしていたようだ。
旨かった。 身がたっぷりのギョーザになかなか手に入らないラー油をいっぱいつけて食べた。
10個ほど食べた頃かな・・・?
Iさんの携帯が鳴って「悦子さんだ♪」と外へ出て行かれた。
もうギョーザが喉を通らなくなって固まっていく自分がそこにいた・・・。
私の体はなんてわかりやすく出来ているんだろう・・・。
緊張すると胃がかくれんぼしてしまうようだ・・・。
部屋に戻ってくるのは10分か、20分か、いや、もっと短い3分くらいだったのかもしれない・・・。
それだけ、緊張している自分がいる・・・。
部屋に戻ってくるなり、私を少しチラッと見てから、
Iさんは「つまようじ貸して。歯に海苔が付いていて恥ずかしい・・・」・・・。
どこでしゃべっていてその自分に気づいたんだろう?
私は冷静なのか? それとも・・・。間違いなく冷静ではない。 つばが全く飲め込めないことに気づくのにそんなに時間はかからなかったのだから・・・。
「元ちゃんちょっと待ってね」 そう言ってIさんは又、部屋を後にした。
続く・・・