蜜蜂と遠雷 恩田陸氏(幻冬舎)

こんにちは。【タオルはまかせたろ.com】タオルソムリエの寺田です。


久しぶりに長編小説を読んでいます。
恩田陸氏著書の作品である『蜜蜂と遠雷』 (幻冬舎)

『羊と鋼の森』 宮下 奈都氏著はピアノの調教師を主にする内容だったのに際し
『蜜蜂と遠雷』はピアノコンテスタントを描いた作品となっている。

上記2書の内容はそれぞれ描写も小説内容も違うが私はピアノという世界観を
全く知らずに生きているにも関わらず両作品ともスッと小説に入れていくのが
素晴らしくずっと読んでいたい気持ちにさせてくれます。

恩田さんの作品世界は一言で言うと【スピードパズルをするゲーム】に似ています。
登場人物がいくつもある中、お構いなしに展開していくストーリーに最初は戸惑いながら
段々と要領を覚えていくと次へ次へと進んでいきたくなるスピードパズルそのもの。

あわせていくことで自分がその小説の現場に立っている。
そう幾人もの登場人物の気持ちに自分を組み合わせていく快感を覚えていってしまいます。
主人公全員が主語で第一人称で語るストーリーの展開に小説の醍醐味を感じます。

それはまるでそれぞれの主人公の演奏のように時に優しく、時に激しく。
宙を舞い星になり涙さえしてしまう。

生きる立場を彼らに置き換えさまよう場所はみんな一緒だと教えてくれるよう。

誘う(さそう)と書いて誘う(いざなう)という言葉が私は好きですが
この小説は最後まで私という人格をいざなってくれるのです。

音楽の世界を通じて難しいクラッシクや体感したことのないコンテスタントの内情まで
奥深く奥深く知識以上の身体が彷彿していく魅力が行間から言霊から感じる作品と
なっています。

時間を設けながら一気に読み上げていただきたい作品ですが大切に読んでほしい作品でも
あります。

いい作品に出会えました。

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